ときのほとり

nonn71.exblog.jp
ブログトップ

<   2013年 09月 ( 6 )   > この月の画像一覧

秋の実

梢には風くる気配
さわさわと
青き銀杏のつぶら実揺れる

紫に熟れしあけびはやはやはと
甘き果肉に
種子(たね)を包める

耀へるぐみのうら葉の
さゆらぎを
車窓に見しは何処なりしや
f0284880_16305028.jpg
[PR]
by fumi2718 | 2013-09-25 16:31

子規忌(糸瓜忌・獺祭忌)

生涯に娶るなかりし子規、賢治ともに献身の妹ありき

旅立ちの子規像若し草鞋ひも結ぶ腕に風光りをり

余白の美歌いし子規の藤の花たたみに触れぬ心静かに

子規庵の六畳の間に置かれたる文机深き切込みのあり

子規の碑の前に佇み見上ぐれば古木の風格見せてさくらは

子規の書く絶句三つの墨のあとたましい凝らす力に掠(かす)る

(絶句3) 正岡子規
糸瓜咲て痰のつまりし佛かな

痰一斗糸瓜の水も間に合はず

をとゝひのへちまの水も取らざりき


「瓶にさす」歌の心をもやもやと思いてゐたり子規祀るけふ

[PR]
by fumi2718 | 2013-09-19 20:00

狐の嫁入り

花は葉を葉は花を見ぬ彼岸花季節たがえず土手に華やぐ

目をやれば野にありてこそ彼岸花稲刈りし田を朱に染めて咲く

黄金色に染まる大地を裂くごとくまぶしく走る曼珠沙花かな

曼珠紗華の炎(ほむら)だつ道結界に至れば吾をよぎりゆく影

日照雨(そばえ)降る薄の土手に出て見れば狐の嫁入り来る気配なり

田の面の片端ぬらし長月の狐の嫁入りまぶしくよぎる

[PR]
by fumi2718 | 2013-09-15 21:18

秋めきて

葉の裏に夢の抜け殻を置き去りしつくつく法師の声も絶えたり

留守電にこおろぎの声入れてやる娘に短き用告げしあと

肥後守使いし頃のわたくしはしっかり書きしよ確かな文字を

われの詠む歌とは何ぞつき詰めてゆけばゆくほど解らなくなる

残りたる日はまだ長しされどまた歩み来し日もいたずらに長し

[PR]
by fumi2718 | 2013-09-10 09:42

小染月

湧水の流れの中に逆らわず花白々と立てる梅花藻

見ゆるものなべて和らげ降る雨はゆるりと秋をもたらすらしも

忘れ物取りに戻りてその在処その忘れ物思い起こせず

見覚えのあれど名前の想い出せぬ顏がだんだん近づいてくる

しみじみと思う歌あり人ありて小染月いかなる色に染むべし

[PR]
by fumi2718 | 2013-09-06 17:12

季秋

昔日の人らの祈りの道祖神笑みたる女男(めお)の神は寄り添ふ

万葉の人らのたつき偲びつつ萩の花咲く下道をゆく

萩ゆれて白玉のつゆこぼれたりはっとしみいる今朝の秋なり

ひと夏を華やぎ今はただひとつ咲きゐし木槿の花も終わりぬ

ひとつふたつ上向きに着く実もありて小さき柚子は秋風を受く

柔らかき草より枯れる野の秩序わがものとして夏は終わりぬ

[PR]
by fumi2718 | 2013-09-01 21:16