ときのほとり

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好日

作らずに味わうだけなら上手いねとほめ給え君よ料理も歌も

酒の色なじめる備前のぐいのみにとろりと烏賊の塩辛を盛る

藍深き器にそろりと割り落とし夕べ安らぐ温泉卵

ビシバシとビールの缶を踏みつぶすビール飲むより爽快なりき

もみじマークつけて高速疾駆する夫よ私を道連れにしないで

ひたすらにわが生き来しの一日(ひとひ)さへ重ねてゆくを歳月と呼ぶ


超かんたんレシピ

ヘタを取った茄子を縦方向に7~8センチ幅に切って、フライパンで焼きお皿に盛る。

オリーブオイル  大1
塩          少々
酢          大1
トマトのみじん切り  パセリ

このドレッシングを回しかける   おわり^^;f0284880_952887.jpg
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# by fumi2718 | 2013-08-14 09:52

晩夏

袖垣に白き夕顔咲く家の跡形もなく消えし八月

遂げざりし愛にも似たり届かざる枝の真白き木槿ひと花

地上より湧きたつ雲よ八月の軋みはき出せこの中空へ

白き花小さきひすいの実を残しはやゆずの香を放ちて散りぬ

打ちつける凄き夕立音立てて薄黄に咲きし鳳仙花散る

積雲の定まる時のしずかさを重ねつつ夏は深みゆくなり
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# by fumi2718 | 2013-08-08 10:28

戦後のままで

反戦歌かならず一首をわれに課す八月ひとりの平和宣言

ヒロシマのまたナガサキの上空にてボタンを押したるその指思ふ

原爆を投下せし機よエノラ・ゲイほんとはやさしき女(ひと)の名にして

「過ちは繰り返しません」の原爆碑主語なき言葉くろき訴へ

軒下の南部風鈴すずやかに鳴る世であれよ戦後のままで

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# by fumi2718 | 2013-08-06 09:17

大樹

どっさりと洗濯物を干しあげて寝転びて見る入道雲を

野の道はひとりがよけれ浮かびくる言の葉そっと手帳に記す

とりあへず其処にすわれと円形に落葉を敷きて楠が言ひたり

やりばなき鬱も一緒に載せよとて根を土の面に出して楠は

大樹より溢れこぼれる蝉の声わがブラウスにまで沁み込むほどに

夕暮れの楠を鳴らしてまぶしきは一夏の蝉の七日のひかり
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熊本城の楠
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# by fumi2718 | 2013-07-31 18:13

盛夏

俯けば同じ夜を往くかたつむり月に守られ光る跡あり

ひきこもりみたいですけど全身で前進してるかたつむりです

雨音の激しきに真夜目覚めたり渇ける草木の水吸う音も

咲く花にいとしむ心深めつつ腰を伸ばして今朝も水やる

花ひらき窄みしあとも日日草一首なさねば今日なき思い
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# by fumi2718 | 2013-07-28 09:43

くさぐさのとりどりの花そよがせて風がこころを吹き抜けてゆく

一枝また思ひあまりて咲き出でし柘榴は赤し声なく赤し

美しき老いなどあらぬあるまヽにひと日一日を確かめて生く

右頬の染みを化粧でかくしつつまだ曲者の自分が嬉しい

幾つもの枝を持ちたる樹のごとく岐路の多き生命線なり

だめだけどだめではないと思いおるそんな自分で暮す片隅

取り返しつかざれど彼の日迷いつつ避けて来し道に何がありしや
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# by fumi2718 | 2013-07-22 18:16

その日・その日

この町のどの軒先もオレンジのノウゼンカズラゆったりと咲く

七月の十七日に鳴き初めしつくつく法師よ時を急かすな

実を二つ生ける証しとみのらせて無花果は雨ひたすらに待つ

ガラス器に梶の葉っぱを敷きたればぷるっと震えるうすべにの菓子

喉ごしの良きわらび餅夏の夜のコンビニに買う夫と二人分

コーヒーに溶けゆく氷塊きしきしとコップの中も穏やかならず

部屋中に香りの帯がひろがりて月下美人は咲く時を告ぐ
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# by fumi2718 | 2013-07-20 09:40

恙なく

二十年を子の居し部屋に子の夢のかけらも吸ひて掃除機うごく

子は何をここに夢みぬわが部屋と角度たがへて空うつす窓

蜆汁箸にはさめば軽からぬ一つなりけり命なりけり

蝉時雨木立の中に聴き入るを我にはひととき蝉には一生

いちじくを剥きつつををれば穏やかな季節の午後が進みはじめる

匙をもてゴーヤの芯をくりぬきし緑のカヌーは今日のビタミン


☆__________________________☆

今夜は精霊流しでした。
送り火を焚いて精霊さんを送り出しました。
また、来年もお帰り下さいと言葉を添えて・・。

流れゆく川にまかせて遠ざかる帰路のよし舟夫(つま)と見送る

送り火の煙しづかに立ちのぼる空には赤き月が出てをり

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# by fumi2718 | 2013-07-15 21:48

思い草

一冊の歌集も残さず逝きし君に吾をうたへる歌ひとつあり

今が花悲しき別れ負いしまま小花咲きつぐ面影草は

十年間わが短歌の助詞ひとつかえ生かし続けし君はいまさず

幾世経てわがたましひを照らすべき星の言葉を君は賜ひぬ
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# by fumi2718 | 2013-07-12 10:03

朱夏

有難うお陰様など日本語のうつくしき言葉にぬくもる心

早朝の画面にこぼるる笑みもらひ円き五感で今日をはじむる

木のことば鳥のことばに癒されて森ゆけばいらぬ人のことばは

ほほづきの朱きつぶらにふと浮かぶ祖母の珊瑚の簪何処

梔子の花よりおほきなくもたちてはつなつの空はおりてきたりつ

時の世を痛罵したるは徳富蘆花 阿蘇にふくらむ入道雲や
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# by fumi2718 | 2013-07-11 09:37